総勘定元帳をはじめとする経理書類は複数の法律により保存期間が定められていることもあり、保存期間がわかりにくいという声をよく耳にします。この記事では、総勘定元帳の法的な保存期間や、保存すべき期間についてご説明していきます。
総勘定元帳とは?
総勘定元帳とは、勘定科目ごとに全ての取引を整理・計算して記録する帳簿のことです。仕訳帳の内容を勘定科目ごとに分け、日付順に記録することで総勘定元帳を作成できます。
総勘定元帳の様式は特に決まっておらず、必要事項が記載されていれば総勘定元帳として扱われます。手書きの総勘定元帳だけでなく、表計算ソフトや会計ソフトでの作成も認められています。総勘定元帳の必要事項は以下になります。
- 日付(取引日時)
- 概要(仕訳の相手勘定科目)
- 仕丁(同内容の仕訳帳のページ数)
- 借方(借方に発生した金額)
- 貸方(貸方に発生した金額)
- 借または貸
- 残高
総勘定元帳は必ず作成し、保存しておかなければならない帳簿です。もし総勘定元帳の保存がなされていなかった場合には、追徴課税をされてしまう可能性もあります。必要事項に漏れがないよう作成し、しっかりと保存できる体制を整えておきましょう。
なお、総勘定元帳は電子での保存も可能です。電子で保存したい場合は電子帳簿保存法をしっかりと確認しておきましょう。
総勘定元帳の保存期間は何年?
総勘定元帳を含む帳簿は、所得税法と会社法(または一般社団法人及び一般財団法人に関する法律)によって保存期間が定められています。所得税法の保存期間(7年間)よりも会社法の保存期間(10年間)のほうが長いため、会社法の保存期間である10年の間は総勘定元帳を保存するようにしましょう。
総勘定元帳の保存期間:10年間
起算日:会計帳簿の閉鎖の日
第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
会社法
第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
非営利法人(NPO法人)について
NPO法(特定非営利活動促進法)では、NPO法人の総勘定元帳などの帳簿に関する保存義務について触れていません。
しかし、認定NPO法人の認定要件には「帳簿書類の備付け、取引の記録及び帳簿書類の保存について青色申告法人に準じて行われている」ことが設けられています。青色申告法人の場合、法人税法が適応されるため、総勘定元帳を7年間(起算日:事業年度の確定申告書の提出期限の翌日)は保存しておかなければなりません。
つまり、認定NPO法人の場合、総勘定元帳は7年間の保存が必須ということになります。認定NPO法人の認定要件はNPO法人の運営の指標となるため、認定NPO法人以外のNPO法人も7年間の保存が望ましいと言えます。お金に関して無駄な疑惑を与えないためにも、総勘定元帳などの帳簿は最低7年間保存しておくことをオススメします。
総勘定元帳は永年保存すべき?
総勘定元帳の保存期間は法律で10年間と定められているため、保存期間が過ぎたら廃棄してしまっても問題はありません。
しかし、総勘定元帳は会社の歴史となる重要な書類であり、事業計画などを考える上でも大切な資料となるため、他の重要な経理書類とともに永年保存している企業も多く見られます。会社の書類保存スペースとの兼ね合いにもよると思いますが、総勘定元帳はできれば永年保存しておくことをオススメします。
もし廃棄する場合には、廃棄方法に気を付けなければなりません。会社の経営状況や歴史が丸わかりとなる書類のため、機密文書廃棄サービスの利用などのセキュリティに特化した廃棄方法を選びましょう。
ずっと保存しておく書類は書類保管サービスに
「総勘定元帳などの大切な書類はずっと保存しておきたいけど、書類の保存スペースがもうないなぁ」そんな場合には、書類保管サービスの利用がオススメです。
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