事務必見!トラブルを防ぐタイムカードの最適な保管方法を徹底解説

タイムカードとは日々の出勤時刻や退勤時刻を記録する重要なカードです。「もっと効率的な保管方法はないのか」や「今の保管方法は本当に適切なのだろうか」と保管方法に頭を悩ませたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、タイムカードの疑問を解消するための最適な保管方法を紹介します。タイムカードの保管業務を任された際の悩みを解決しましょう。

タイムカードとは

タイムカードは、タイムレコーダーを使用して従業員の日々の出勤時刻や退勤時刻を記録するカードです。タイムカード自体は法的に導入を義務づけられているわけではありません。しかし、導入を選択した場合、労働基準法第百九条により「その他労働関係に関する重要な書類」として正確な取り扱いが求められます。

タイムカードの保管義務

タイムカードを導入する場合は、労働基準法における法定三帳簿の1つとして扱われ、「出勤簿」とも称されます。法定三帳簿とは「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」を指し、企業は労働基準法に基づき、これらを保管する義務があります。雇用形態に関わらず、アルバイトや派遣社員も含め、全ての従業員のタイムカードは適切に保管しなければなりません。企業側はこの義務をしっかりと理解する必要があります。また、適切な保管も求められます。

タイムカードの保管は、企業と従業員間のトラブルを回避する上で必要不可欠です。特に賃金に関連する問題は重要です。例えば、未払賃金や残業代の請求が生じた場合、タイムカードは従業員の労働時間を客観的に示す重要な証拠となります。

また、労働基準監督署が企業の法律遵守を確認するための調査を行う際、タイムカードの存在は確認作業に必要不可欠です。そのため、適切な保管を怠ると、企業は法的に不利な立場になる可能性があります。企業はトラブルを防ぐために、タイムカードの適切な保管をすべきと言えます。

タイムカードの保管方法

タイムカードの保管方法は企業の運営効率の向上や法的問題の防止に深く関わってきます。そのため、タイムカードの保管方法がトラブルを未然に防ぐカギとなります。タイムカードの保管方法は多岐にわたります。具体的なタイムカードの保管方法は以下の4通りです。

  • 電子データ
  • 勤怠管理システム
  • 書類保管サービス

紙ベースでの保管が主流ですが、テクノロジーの進化により電子データとしての保管も増えてきています。また、勤怠管理システムや専門の書類保管サービスに委託する方法もあります。それぞれの特徴と注意点を詳しく解説していきます。

タイムカードを紙で保管

紙ベースのタイムカードの保管方法について、特徴と注意点は以下の通りです。

【特徴】

タイムカードを整理整頓する際の基本は、年月ごとまたは従業員ごとにまとめることです。中でも、年月ごとにまとめる方法は特にオススメです。タイムカードを年月ごとにまとめると、監査時の対応が格段にスムーズになります。さらに、保管から廃棄までの流れがスピーディーに実行でき、保管期間を過ぎた書類の不要な蓄積を効果的に防ぐことができます。

一方、従業員ごとにまとめる方法は、雇用関係の問題発生時に該当の書類を迅速に取り出せます。しかし、従業員数が多い場合は逆に探し出すのに時間がかかってしまいます。企業の特性やニーズに合わせて、どちらの方法を採用するかを検討しましょう。

また、タイムカードを長期間、安全に保管するためには専用の保管箱の使用を検討しましょう。専用の保管箱を使用すれば、タイムカードが経年劣化したり破損したりするリスクを大幅に減少させられます。さらに、光の影響を受けにくくなり、インクの退色も防ぐことが可能です。

【注意点】

紙でのタイムカード保管は一般的ですが、注意点が3つあります。

1つ目は、タイムカードを輪ゴムやクリップで束ねる方法です。クリップによる錆や輪ゴムの劣化でタイムカードが破損したり紛失したりする恐れがあります。

2つ目は、効率的な保管スペースの確保です。紙で保管するタイムカードは一定のスペースを必要とします。企業の規模や条件に合わせて、適切な保管スペースを確保しましょう。

3つ目は、安全と環境への配慮です。タイムカードを安全に保管することは、企業の信頼性を維持する上で重要です。紫外線や湿度、自然災害からもタイムカードを守る配慮が求められます。一方で、セキュリティ面でも対策が必要なため、鍵付きの棚やロッカーを使用するのがオススメです。

タイムカードを電子データで保管

電子データでのタイムカードの保管方法について、特徴と注意点は以下の通りです。

【特徴】

タイムカードを物理的なものだけでなく、電子データ化することも1つの選択肢です。電子データ化することで、紛失や劣化のリスクを大幅に減らすことができ、重要な勤怠情報の保護が強化されます。管理者の変更、経年劣化、物理的なタイムカードの状態把握が困難になるケースもデータ化により、軽減できます。

また、データベース形式での整理は、情報の検索や取り出しがスムーズです。

電子化は便利ですが、こだわり過ぎずに紙の保管も組み合わせるなど企業に合う方法を選ぶことが大切です。

【注意点】

現在はタイムカードを電子データで保管することも増えてきましたが、注意点が3つあります。

1つ目は、電子データ化の導入の難しさです。電子データでのタイムカードの保管をはじめるには、一定のPCの知識が必要です。システムの選定や初期設定は導入初期に専門家の助言を求めると良いでしょう。

2つ目は、費用と効果のバランスです。小規模な企業や従業員数が少ない場合、導入のコストとその後の効果の比較が求められます。電子データ化による利便性、効率化の恩恵、初期・維持コストのバランスを検討する必要があります。

3つ目は、電子データのリスク管理です。電子データの管理には、停電時などのリスク対策と定期的なバックアップが欠かせません。停電時には電子データにアクセスできない可能性があるため、適切なバックアップ体制の整備が必要になってきます。

タイムカードを勤怠管理システムで管理

勤怠管理システムでのタイムカードの管理について、特徴と注意点は以下の通りです。

【特徴】

近年、タイムカードを使用せず、勤怠管理システムを採用する企業が増えてきました。勤怠管理システムを使用すると、従業員の勤務情報の記録、欠勤・有給の管理、作業時間の把握、さらに過労を防ぐための対策までの幅広い管理が可能です。また、勤怠の打刻において正確な記録が保証され、不正操作のリスクが極端に低下します。アナログな方法での集計作業もシステムの力を借りて自動化され、作業の正確さと効率が大幅に向上します。

勤怠管理システムのもう1つの大きな魅力は、システム間の連携機能です。これにより、さまざまな業務が効率的に進行できます。法律の変更にも機敏に対応するシステムが多く、法改正時の対応も安心して行えます。データの保管、取り扱いにおいても従来の物理的な保管とは異なり、場所を取らずに法律に準拠した形での保管が可能です。必要なデータの検索や参照もシステムを通じてスムーズに行えます。

【注意点】

勤怠管理システムでの管理は便利ですが、注意点が3つあります。

1つ目は、導入の難しさです。最初のステップとして、導入には専門知識が必要です。適切なシステムの選択や設定は専門家の助言を求めると良いでしょう。

2つ目は、システムの導入や維持です。システムの導入や維持には一定の費用がかかります。初期投資だけでなく、更新や保守費用の考慮も必要です。

3つ目は、カスタマイズの制限です。全ての勤怠管理システムが自社の勤怠ルールに完璧に合致するとは限りません。事前に詳細な調査と必要に応じてカスタマイズの範囲の確認が大切です。

タイムカードを書類保管サービスで保管

書類保管サービスでのタイムカードの保管方法について、特徴と注意点は以下の通りです。

【特徴】

書類保管サービスとは書類を預かり、ユーザーが必要なときに配送で取り出せるシステムです。書類保管サービスを利用する大きなメリットは、大量のタイムカードを保管するためのスペースを自社内で確保する必要がない点です。これにより、そのスペースを他の重要な業務に活用できます。

また、一部の書類保管サービスでは、書類に詳しいプロフェッショナルなスタッフが配置されているため、書類の管理に関する安心感が得られます。さらに、書類に関する問題をヒアリングして、書類の分類などのオプションサービスも提供しています。これにより、より効率的な書類管理ができます。このような書類保管サービスを利用する際は、きちんとした相談体制を持つサービスを選びましょう。

また、今年度のタイムカードは使用頻度が高いため、前年度以前のタイムカードを預けるのをオススメします。

【注意点】

書類保管サービスを利用するにあたっての注意点が3つあります。

1つ目は、サービスの選定難易度です。さまざまな書類保管サービスが存在し、サービス内容が各会社で異なります。適切な書類保管サービスを選ぶためには、各サービス内容の詳細な調査と比較が必要です。

2つ目は、費用対効果の確認です。書類保管サービスは便利ですが、コストがかかっていきます。保管する書類の量や頻度を基に、書類保管サービスの利用が経済的に合理的であるかを判断しましょう。

3つ目は、書類の取り出しにかかる時間です。即座に書類が必要な場合でも、翌日以降になることがあります。

タイムカードの保管期間

2020年の法改正により、タイムカードの保管期間に関するルールが変わりました。具体的には、2020年3月31日までのタイムカードについては、3年間の保管が法的に義務付けられています。しかし、退職金や賃金の請求権を考慮して5年間の保管が推奨されています。

一方、2020年4月1日以降のタイムカードは、5年間の保管が必須です。起算日は「タイムカードを使って賃金計算をし、支払った日」となります。つまり、賃金を支払った日を基準に、必要な期間だけタイムカードを保管する必要があります。

労働基準法第百九条に「使用者は、労働者名簿、賃金台帳および雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない」と規定があります。

参考:労働基準法 第百九条

賃金請求権が時効によって消滅するまでの期間が5年間へと延長されたことにより、出勤簿の保管期間が5年間となりました。

参考:労働基準法の一部を改正する法律の概要

保管期間を守らないと、罰則の対象になる可能性があります。労働基準法に基づき、30万円以下の罰金が科される場合もあります。正確なタイムカードの保管期間を理解し、トラブルを避けるために適切な管理を心掛けましょう。

「書庫番人」の書類保管サービスがオススメ

大量のタイムカードや長期間保管が必要な書類の置き場に困っている方は、ぜひ書類保管サービス「書庫番人」を検討してみてはいかがでしょうか。タイムカードのみならず、他のさまざまな書類も一緒にきちんと管理できます。書庫番人は、書類の保管や整理、インターネットを使った管理、不要になった書類の廃棄、紙の書類をデジタルデータに変換、さらには電子での契約サービス(クラウドサイン)との連携など、多岐にわたるニーズをまとめて対応してくれるサービスです。気軽に相談できたり、追加料金でプロのスタッフが直接オフィスに来て書類の整理を手伝うなど、充実したサポートもあります。書類保管サービスを初めて検討する方にオススメです。書庫番人を使えば、煩雑な書類整理から解放され、業務の効率化が目指せます。

気になる方は手軽にできる料金シミュレーションをチェックしてみてください。

この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。