【法人】人事必見!労働者派遣契約書の保管期間を徹底解説

労働者派遣契約書とは、基本契約を締結するための重要書類です。しかし、「労働者派遣契約書の保管期間はどのくらいなのだろう」と疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか。本記事では、労働者派遣契約書の保管期間や種類、主な記載事項を詳しく解説します。派遣元と派遣先の企業間でトラブルを回避するために、保管期間について学んでいきましょう。

労働者派遣契約書とは

労働者派遣契約書とは、派遣元と派遣先が労働者を継続的に派遣するための契約を記した書類です。人材派遣業務において、労働者派遣契約書の作成は非常に重要な作業となります。特別なカテゴリや法律が存在し、それぞれのカテゴリに応じて書類の作成義務や保管期間が異なる点には、特に注意が必要です。

人材派遣業で作成すべき契約書の種類

人材派遣業で作成すべき書類には労働者派遣契約書と派遣管理台帳があり、それぞれさらに2種類にわけられます。正確には派遣管理台帳は契約書ではありませんが、労働者派遣法で作成が定められています。

種類サブカテゴリ
労働者派遣契約書労働者派遣基本契約書
労働者派遣個別契約書
派遣管理台帳派遣管理台帳
派遣管理台帳

労働者派遣契約書の種類

労働者派遣契約は、主に2つの書類が取り扱われます。「労働者派遣基本契約書」と「労働者派遣個別契約書」です。それぞれの内容と目的は以下の通りです。

1.労働者派遣基本契約書

労働者派遣基本契約書とは、派遣元と派遣先の企業間で継続的に労働者派遣を行うための基本契約を記載した書類です。法令では作成義務が定められていない書類ですが、派遣されるスタッフが決定される前に締結されます。企業間で取り引きするための基本的な条件を取り決めておくことで、企業間のトラブルを回避する目的があります。記載事項は複数あり、主に、派遣料金や支払い条件、人材派遣に関わる個人情報の保持や禁止事項、契約の適用期間などが記載されます。

2.労働者派遣個別契約書

労働者派遣個別契約書とは、派遣社員一人一人の労働条件を具体的に記載した書類です。労働者派遣法の条文により、労働派遣契約の当事者は、要求される事項を具体的に規定した契約を締結する義務があります。その目的は、派遣社員の権益の確保です。労働者派遣基本契約書と同じく記載事項は複数あり、主に、派遣社員の人数や派遣社員の就業場所、業務内容、派遣期間、派遣社員の就業日数(時間)などが記載されています。

これら2つの書類は、派遣元・派遣先・派遣社員のそれぞれの権利と義務を明確にすることで、派遣業務を円滑に進めるための重要な役割を果たしています。

参考:e-Gov法令検索労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律労働者派遣法26条

派遣管理台帳

派遣管理台帳は契約書ではありませんが、人材派遣企業の重要な書類として扱われ、契約書と同じように管理することが求められます。派遣元と派遣先でそれぞれ作成する必要があり、「派遣管理台帳」と「派遣管理台帳」の2つが存在します。それぞれの内容と目的は以下の通りです。

1.派遣元管理台帳

派遣元管理台帳の目的は派遣社員の雇用環境を保護し、労働環境の適切な管理と確認をすることです。主に、派遣社員の氏名、派遣先の事業所名、所在地、雇用形態、勤務時間、業務内容などさまざま情報が記載されてます。

2.派遣先管理台帳

派遣先管理台帳の目的は、派遣社員の就業実態の把握です。主に、派遣社員の氏名、派遣元の事業所名、所在地、派遣就業をした日、勤務時間、業務内容などが記載されています。これらの台帳を適切に管理することで、派遣社員の就業状況が把握でき、適切な労働環境の提供や問題解決につながります。

労働者派遣契約書と派遣管理台帳の保管期間

労働者派遣契約書は、派遣元と派遣先が労働者派遣を継続的に行うための基本契約をする書類です。そして、派遣管理台帳は、派遣元と派遣先が派遣社員の労働日や労働時間などを把握するための重要な書類です。各書類の保管期間は異なるため、扱いには注意が必要です。

労働者派遣契約書の保管期間

「労働者派遣基本契約書」と「労働者派遣個別契約書」の保管期間は、基本的には同じ考え方をしますが、一部異なることもあるため以下に解説します。

1.労働者派遣基本契約書の保管期間

労働者派遣基本契約書は法令上の作成義務はなく、保管期間を義務付けていません。しかし、労働者派遣基本契約書は、派遣元と派遣先が労働者の派遣を継続的に行う際に重要な条件を明確化するための書類であり、機密事項が多くなっています。企業間の認識や前例確認、トラブル防止などのためにも、契約期間中は、派遣管理台帳と同様に3年間一緒に保管することをオススメします。

2.労働者派遣個別契約書の保管期間

労働者派遣個別契約書は、労働者派遣基本契約書と同じく、保管期間を義務付けていません。しかし、労働者派遣法によって法定記載事項が義務付けられているため、作成が必須です。派遣社員の契約内容を確認する際には、あとから書類が必要になることを考慮して、労働者派遣個別契約書も派遣管理台帳と一緒に3年間保管するのがオススメです。これにより、派遣社員の雇用条件や勤務内容を簡単に参照できるだけでなく、将来のトラブルに備えられます。

派遣管理台帳の保管期間

派遣管理台帳は「派遣元管理台帳」と「派遣先管理台帳」ともに、労働者派遣法37条および42条により、各法定記載事項が確定するたびに記載が必要です。また、派遣先は派遣社員の派遣契約が終了した場合、派遣契約終了日から3年間の保管が義務付けられます。

また、派遣管理台帳の未作成での運営や紛失、3年間の保管義務を怠った場合は最大30万円の罰金刑が科される場合があり、重大な違反の場合には労働者派遣の許可が取り消される可能性もあります。厚生労働省は毎年、労働者派遣事業に関する指導の中で派遣元管理台帳の不備を指摘しており、法令違反に対する厳格な対応を行っています。

労働者派遣基本契約書と労働者派遣個別契約書には保管義務はありませんが、派遣管理台帳と同様に3年保管するのがオススメです。3年という保管期間を基準にすることで、法的な問題を避けられて管理上も楽になります。リスク管理の観点からも法律の規定に従って適切に作成し、確実に保管しておくことが不可欠です。

参考:e-Gov法令検索労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 労働者派遣法 37条と42条

労働者派遣契約書の保管方法

労働者派遣契約書の保管は主に紙ベースが主流となっていますが、テクノロジーの進化に伴い電子データでの保管が増えています。また、書類保管サービスの専門に委託するという選択肢もあります。労働者派遣契約書の推奨の保管期間は3年間のため、保管方法の選択が重要になってきます。

労働者派遣契約書を紙で保管

デジタル化が進む中、紙による労働者派遣契約書の保管は依然として多くの企業に取り入れられています。労働者派遣契約書を保管するにあたって鍵となるのは、整理方法について理解していることです。保管期間が経過した労働者派遣契約書は一括で廃棄することで、オフィス内のスペース効率を上げることが可能となります。そのため、労働者派遣契約書を案件ごとと年度ごとに分類・整理して保管することが求められます。紙の保管方法にはメリットとデメリットが存在します。

【メリット】

物理的な紙の労働者派遣契約書は、その場で直接確認できるためデータの把握が直感的に行えます。

【デメリット】

物理的なスペースを必要とします。十分な保管場所を確保できる企業にとっては問題ないかもしれませんが、限られたスペースでの効率的な管理が求められます。さらに、紙の労働者派遣契約書はデジタルデータと比較すると、情報の検索に手間と時間がかかります。

【オススメの企業】

すぐに労働者派遣契約書を確認したい企業や物理的なスペースに余裕のある企業にとっては適した選択となります。

労働者派遣契約書を電子データで保管

近年のデジタル化の加速に伴い、労働者派遣契約書をはじめとする重要な書類の電子化とその保管が注目されています。電子データの保管は、労働者派遣契約書のみならず、さまざまな書類を一元的に整理・管理する手法として関心を集めています。労働者派遣契約書は、3年の保管期間があるため管理方法も重要です。紙の保管と同様に分類し、案件・年度ごとに体系的に整理することが一般的となっています。

電子データで保管するには、労働者派遣契約書をスキャンしたり、最初から電子データとして作成したり受け取ったりすることも可能です。電子データの保管方法にはメリットとデメリットが存在します。

【メリット】

物理的な場所を必要とせず、大量の労働者派遣契約書を効率的に保管できます。さらに、データベースから特定の契約書を迅速に探し出すことができるため、効率的に検索ができます。

【デメリット】

デジタルデータの保管と保護に対する技術的理解が必要です。

【オススメの企業】

デジタル化を推進している企業や大量の労働者派遣契約書を保管・管理する必要がある企業に適しています。

これらの要素を考慮して、適切な電子データの保管方法を検討することが重要です。

労働者派遣契約書を書類保管サービスで保管

労働者派遣契約書は3年の保管期間があるため、書類保管サービスの利用を検討するのもオススメです。書類保管サービスは、紙の書類を預かり、必要に応じて配送で取り出せる便利なサービスです。

また、書類に詳しいプロフェッショナルなスタッフがお客様の悩みをヒアリングし、オプションで書類の分類の手伝いをしてくれる書類保管サービスもあります。なにか労働者派遣契約書などの書類に関連する問題が発生した場合でも、気軽に専門のスタッフに相談可能です。

書類保管サービスでの保管にはメリットとデメリットが存在します。

【メリット】

大量の労働者派遣契約書の保管に要する物理的なスペースを自社内で用意する必要がないため、保管スペースを節約できます。また、労働者派遣契約書などの書類を集配送して運んでくれるため、手間をかけずに書類保管サービスを利用できます。

【デメリット】

労働者派遣契約書がすぐに必要でも、最短で翌日など書類の取り出しに時間がかかる場合があります。

【オススメの企業】

労働者派遣契約書の管理において自社のリソースを節約したい企業や、大量の労働者派遣契約書を効率的に管理したい企業に適しています。

「書庫番人」の書類保管サービスがオススメ

量が多い労働者派遣契約書や保管期間が長い書類の保管に困っている場合、ぜひ「書庫番人」の書類保管サービスを利用してみてはいかがでしょうか。労働者派遣契約書だけでなく、他の書類も一緒に管理が可能です。

「書庫番人」は幅広いサービスを提供しており、書類の保管や分類、Web上での管理、廃棄処理、紙の書類のデジタル化、電子契約サービスとの連携(クラウドサイン)など、さまざまなニーズに一括で対応可能です。書庫番人では、気軽に悩み相談ができたり、オプション料金で専門のスタッフがお客様のオフィスに行って書類の分類を手伝うなどのサービスも行っています。充実したサポート体制があり、はじめての方でも安心してご利用いただけます。書類の整理や保管に頭を悩ませることなく、効率的な書類管理を目指すなら、「書庫番人」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

「書庫番人」の料金については、ウェブサイト上で手軽に確認できるため、気になる方はぜひ一度料金シミュレーションをチェックしてみてください。

この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。