【人事・労務】書類保管期間一覧と保管方法

この記事では、人事・労務関係の書類の保管期間を一覧にしています。保管期間の数え方、管理しやすい保管方法、廃棄するときの方法など、人事・労務関係の書類を管理するために必要な情報をわかりやすく解説しました。

人事・労務関係の書類の保管期間とは

人事・労務関係の書類のほとんどに法律により保管義務があり、保管期間が定められています。たとえば、雇用保険法施行規則第143条*1、労働基準法109条*2、健康保険法施行規則第34条*3など、さまざまな法律で定められています。守らなければ法律違反ですし、中には罰則が課される法律もありますので、注意が必要です。しばしば法改正で内容が変わることもありますので、人事・労務関係の書類の保管期間を確認しましょう。

*1 事業主及び労働保険事務組合は、雇用保険に関する書類(雇用安定事業又は能力開発事業に関する書類及び徴収法又は労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則による書類を除く。)をその完結の日から二年間(被保険者に関する書類にあつては、四年間)保管しなければならない。
*2 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
*3 事業主は、健康保険に関する書類を、その完結の日より二年間、保存しなければならない。

人事・労務関係の書類の保管期間一覧

保管期間と起算日(数えはじめの日)を一覧にしました。

起算日とは、書類の保管期間の数えはじめの日のことです。書類によって起算日は異なるので注意が必要になります。
人事・労務関係の書類の起算日でわかりにくいのは「完結の日(退職、解雇や死亡の日)」です。今一度社内の保管体制を確認しておきましょう。

わかりやすいように保管期間順に並べていますので、参考にしてください。

保管期間書類名起算日
30年クロム酸等の空気中における濃度の定期測定記作成日
30年特別管理物質についての作業の記録当該事業場において常時当該作業に従事することとなった日
30年 ※当該記録を5年保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときはこの限りでない放射線業務従事者の線量の測定結果記録作成日
30年 ※当該記録を5年保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときはこの限りでない電離放射線健康診断個人票作成日
30年特別管理物質を取り扱う業務に携わる労働者の特定化学物質健康診断個人票作成日
7年粉じん濃度の測定記録、測定結果の評価記録作成日
7年じん肺健康診断記録、じん肺健康診断に係るエックス線写真作成日
5年従業員の身元保証書作成日
5年誓約書などの書類作成日
5年賃金その他労働関係の重要書類(労働時間を記録するタイムカード、残業命令書、残業報告書など)賃金支払期日
5年労働者名簿完結の日
5年賃金台帳(国税通則法では7年保存を義務づけ)賃金支払期日
5年雇入れ・解雇・退職に関する書類完結の日
5年災害補償に関する書類災害補償の終わった日
5年じん肺健康診断記録、じん肺健康診断に係るエックス線写真作成日
5年一般健康診断個人票作成日
5年有機溶剤等健康診断個人票作成日
5年鉛健康診断個人票作成日
5年四アルキル鉛健康診断個人票作成日
5年特定化学物質健康診断個人票作成日
5年高気圧業務健康診断個人票作成日
5年高圧室内業務の減圧状況の記録作成日
5年線量当量率の測定の記録作成日
5年放射性物質の濃度測定の記録作成日
5年放射線事故に関する測定の記録作成日
5年安全委員会議事録作成日
5年衛生委員会議事録作成日
5年救護に関する訓練の記録作成日
5年危険・有害業務に従事するときの安全衛生のためのときの安全衛生のための特別教育の記録作成日
4年雇用保険の被保険者に関する書類(雇用保険被保険者資格取得等確認通知書、同転勤届受理通知書、 同資格喪失確認通知書{離職証明書の事業主控}など)完結の日
3年企画業務型裁量労働制についての労使委員会の決議事項の記録決議の有効期間中及びその満了後
3年労使委員会議事録開催日
3年労災保険に関する書類完結の日
3年労働保険の徴収・納付等の関係書類完結の日
3年家内労働者帳簿最後の記入をした日
3年派遣元管理台帳派遣終了日
3年派遣元管理台帳派遣終了日
3年身体障害者等であることを明らかにすることができる書類(診断書など)最後の記入をした日
3年家内労働に関する帳簿最後の記入をした日
2年雇用保険に関する書類 (雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届など)完結の日
2年健康保険・厚生年金保険に関する書類 (被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書、標準報酬改定通知書など)完結の日

特に気を付けたいのは法改正があったタイムカード、労働者名簿です。

▼タイムカードや労働者名簿については、以下の記事もご覧ください。

▼そのほかの書類の保管期間を知りたい方は、以下のページもご覧ください。

人事・労務関係の書類の保管方法

人事・労務関係の書類は、個人情報にあたるものがほとんどです。そのため個人情報として慎重に扱わなければなりません。セキュリティ管理された安全な状態で保管しましょう。

例えば紙の書類なら、書類保管スペースを限られた人間しか入れないように鍵をかけたり、棚に鍵をかけたり、セキュリティ管理された書類保管サービスに預けたりする方法があります。書類は保管期間が過ぎたらまとめて捨てられるように、基本的には保管期間が同じか近いものをまとめて保管しておくとよいでしょう。しかし、人事・労務関係の書類は「完結の日」である退職日などが起算日になるものも多いです。個人ごとに管理し、その中で保管期間ごとにまとめる方がわかりやすいです。

データの書類であれば、閲覧制限をかけたり、パスワードをかけるなどして、決められた人間しか閲覧できないようにしましょう。

▼個人情報の取り扱い方は以下のページも参考にしてください。

人事・労務関係の書類の廃棄方法

個人情報が載っている書類は、保管期間が過ぎたらすみやかに廃棄するのがベターです。データの書類も同様です。書類からの漏洩は廃棄のタイミングで発生することが多いので、人の目に触れることがないような廃棄をする必要があります。

可能であれば、機密文書専門の廃棄サービスを使うことをおすすめします。

社内でシュレッダーにかけて廃棄する企業も多く見受けられますが、そのごみから情報が漏洩するリスクを考えると、機密文書専門の廃棄サービスを利用したほうが安心・安全でしょう。

人事・労務関係の書類の管理にお困りなら

人事・労務関係の書類の保管スペースや、セキュリティ対策に困っているなら書類保管サービスがおすすめです。セキュリティ管理されているので、安心して大事な書類を預けることができます。普段は使わない古い書類から預けてみてはいかがでしょうか。

なお書類保管サービスの「書庫番人」ならセキュリティ管理だけでなく、湿度対策や災害対策も万全です。書類の廃棄対応も可能なので、預けた書類の保管期間が過ぎたらそのまま廃棄処理できます。まずはお気軽にお困りごとをお問い合わせからご相談いただければ、適切な保管方法をご案内します。

今すぐweb上で、料金シミュレーションもできますので、お試し下さい。

この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。