決算に必要な書類を一覧で確認して効率化しましょう!

提出の際に抜け漏れがないよう、決算に必要な書類を一覧にしてみました。書類の解説もしていきますので、経理をはじめたばかりの方にとくに役に立つ記事です。

決算とは?

決算とは、年に一度会社のお金の流れをまとめることです。具体的には、決算書を作り、納めるべき税金の計算と申告と納税を行います。

決算は会社の決算日(年度末)までを一区切りとして行います。決算日は会社によって異なります。決算日から2ヶ月後の末日(例:3月末決算であれば5月末日)までに各種税金の計算・申告・納税を済ませる必要があるため、期限に間に合うように決算を行いましょう。

決算にはさまざまな書類の作成が必要なうえ、法改正などにより必要な書類が年々変化しています。そのため、多くの企業では税理士に依頼して決算を行っています。また、近年では決算書の作成が可能な会計ソフトなども増えており、そういった会計ソフトのみで決算を行っている企業もあるようです。ただし、税金の計算を間違えてしまうと意図せず脱税をしてしまうこともあるため、注意が必要です。

税金の申告と納税先

決算の際には、税金の計算をしたうえで、申告と納税を行う必要があります。しかし、納めるべき税金の種類も多く、わかりにくい仕組みとなっています。決算の際に納めるべき税金の種類と納付先を表にしましたので、参考までにご確認ください。

税金納付先
法人(所得)税国(税務署)
消費税国(税務署)
法人事業税各都道府県(都道府県税事務所)
地方法人税国(税務署)
法人都道府県民税各都道府県(都道府県税事務所)
法人市町村民税各市町村 ※東京都は法人都民税と合算されるため不要

決算の流れ

決算の基本的な流れを簡単に説明します。

決算は、

1.決算書の作成→2.法人税申告書の作成→3.確定申告と税金の納付

の流れで行います。

1.決算書(財務諸表)の作成

まずは決算書を作成します。決算書の作成とは、賃借対照表と損益計算書を作成し、業績を確定させることです。日々帳簿を付けていない場合には大変な手間がかかってしまうため、できればこまめに帳簿を付けるフローにしておくべきでしょう。

2.法人税申告書の作成

決算書をもとに、法人税申告書を作成します。別表が19種類あり、企業の形態や業績によって必要な表や税率が異なります。よく調べて作成しましょう。

確定申告の際には以下の書類も添付する必要があるため、こちらも合わせて作成します。

  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人税事業概況説明書
  • 税務代理権限証書(税理士に申告書の作成を依頼した場合のみ)

3.確定申告と税金の納付

法人税申告書などをまとめたあとは確定申告を行い、税金を納付します。

確定申告は、期日内に法人税申告書と添付書類とを税務署に提出することで完了します。税務署に持参してもよいですが、郵送やインターネットでの提出も可能な場合があります。

確定申告を行ったあとは、税金の納付も行います。税金の種類によって納付先が異なります。法人都道府県民税や法人市町村民税の納付先は、各自治体のホームページを参照しましょう。現金・銀行振り込み・コンビニエンスストア振り込みなどさまざまな方法で納付できる自治体も多く見られます。

決算に必要な書類一覧

ここでは、決算を完了するために必要な書類を、一覧できるリストにしました。一覧のうち、太字の書類をまとめたものが「法人税申告書」と呼ばれているものです。この一覧を参考に決算のやり方を考えてみましょう。一覧のあとには、各書類の簡単な紹介もしています。

決算に必要な書類一覧

  • 総勘定元帳
  • 領収書綴り
  • 決算書(財務諸表)
  • 法人税申告書別表
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人税事業概況説明書
  • 税務代理権限証書(税理士に申告書の作成を依頼した場合のみ)
  • 法人住民税の法人都道府県民税の申告書
  • 法人住民税の法人市町村民税の申告書(東京都は除く)
  • 消費税申告書

総勘定元帳

仕訳帳(日付順に取引を記載した帳簿)の内容を勘定科目ごとにわけたものです。

法人税申告書に含まれる勘定科目内訳明細書とは異なるため、注意しましょう。

領収書綴り

一年の領収書をまとめたものです。紙に領収書を貼ってファイリングしたり、クリアファイルに保管したりしている企業が多いようです。電子レシートなどを利用し、電子で管理している場合もあります。

決算書(財務諸表)

会社の利益と損失がわかるようにするものです。「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」などをまとめたものが決算書と呼ばれています。

申告書別表

申告書は19種類あり、企業によって必要な表は異なります。決算書をもとに作成します。

勘定科目内訳明細書

決算書から、日々の取引を勘定科目ごとに分類し、記載したものです。

総勘定元帳とは使用目的が異なるため、様式も異なります。

事業概況説明書

企業の概要を説明するものです。

税務代理権限証書(税理士に依頼した場合)

税理士に申告書の作成の代理を依頼した際に提出が必要な書類です。

法人住民税の法人都道府県民税の申告書

法人住民税(都道府県)を都道府県税事務所等に申告するものです。第六号様式とも呼ばれています。各自治体のホームページを参照し、申告・納税方法を調べましょう。

法人住民税の法人市町村民税の申告書(※東京都は除く)

法人住民税(市町村)を都道府県税事務所等に申告するものです。第二十号様式とも呼ばれています。東京都の企業は法人住民税(都道府県)と合算されるため、この書類の作成や申告は不要です。各自治体のホームページを参照し、申告・納税方法を調べましょう。

消費税申告書

消費税を申告するものです。会社の形態や業績によって消費税申告書の種類は異なります。

まず「課税期間中の取引が消費税率10%(軽減8%含む)のみの場合」「課税期間中の取引が消費税率10%(軽減8%含む)と旧税率8%(または5%・3%)の両方がある場合」の2つにわけられ、さらにそれぞれ「一般課税(本則課税)」か「簡易課税」かにわけられ、様式の異なる書類を作成する必要があります。

詳しくは国税庁のサイトもご確認ください。

決算に必要な書類は保管期間にも注意が必要です

決算に必要な書類の保管期間を把握していますか? 決算に必要な書類は、決算が済んだからといってすぐに廃棄してはいけません。基本的に10年間または7年間保管するように法律で定められています。

決算に必要な書類は決算が終わったあとはあまり使うことのない書類であり、保管スペースに困っている方も多いのではないでしょうか。書類の保管スペースに困っている場合には、書類保管サービスの利用もオススメです。

書類保管サービスに書類を預けておけば、社内がスッキリするだけでなく、Webでの管理もできるためとても便利です。もし急に書類が必要になったときには、取り寄せもできて安心です。保管期間の長い書類はぜひ、書庫番人の書類保管サービスにお任せください。

この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。