履歴書の保管期間に関する曖昧さは、企業や人事担当者にとって大きな悩みの種です。「いつまで履歴書を保管すべきか」「履歴書の保管についての法的要件とは」このような疑問を持つ方は多いでしょう。さらに、履歴書の保管期間が満了したあとの適切な廃棄方法についても難しい課題となっています。個人情報の保護を考慮すると、期間を過ぎた履歴書の扱いは特に重要です。
この記事では、履歴書の保管期間について一般的な疑問を解決し、企業が個人情報を守りつつ法的要件に沿った具体的な管理方法を紹介しています。
履歴書の保管期間厳守の重要性
履歴書の保管に関しては、法律で厳しくルールが定められています。具体的なルールは、労働基準法に記されています。労働基準法には、履歴書を含む人事関連の書類をどれくらいの期間を保管すべきか、詳細に指示されています。この規程では正社員のみならず、パート、アルバイト、さらには派遣社員の履歴書に対しても同様の取り扱いが求められており、厳守しなければなりません。また、企業は履歴書をはじめとする重要な書類の保管期間満了前の廃棄、紛失、破損が起こらないように慎重に管理することが必須です。このような責任を果たすためには、書類の保管方法に細心の注意を払うことが重要になります。
しかし、長期にわたる書類の保管は企業にとっては相当なスペースが必要です。そのため、限られたオフィススペースへの負担を考え、効率的な保管方法を見つけることが大切です。さらに、履歴書を含む書類の保管期間は、特定の状況によって異なる場合があります。そのため、各企業は保管期間に関する法的要件を正確に理解し、適切に対応することが求められています。このように、履歴書の保管には多くの注意点があり、適切な管理が不可欠です。
履歴書の保管期間詳細
履歴書の保管期間は、提出した人の状況に応じて変わります。具体的には、従業員は「在籍中」「退職者」「不採用者」という3つのカテゴリーに分類されます。各カテゴリーごとに求められる保管期間があり、企業はこれらを正確に理解しての適切な管理が必要です。
履歴書作成者の状況 | 保管期間 |
---|---|
在籍者 | 在籍中は保管し続ける |
退職者 | 退職の日から5年間(当面は3年) |
不採用者 | 保管義務なし(企業の判断による) |
退職者の履歴書
履歴書作成者が在職中の場合には、その履歴書は保管し続けなければなりません。また退職者の履歴書に関しては、労働基準法によって退職日から5年間の保管が義務化されています。同じく、在籍していた従業員が亡くなった場合も死亡日から5年間は履歴書の保管が必要です。この規定は、労働基準法の第109条および第143条に記載されており、企業にはこれらの保管期間の遵守が求められます。特に、第143条では以前は3年間とされていましたが、2020年の労働基準法の改正により、保管期間が5年間(当面の間は3年)に延長されました。間違えやすいため注意しましょう。
ここで引用される第109条では、「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇用、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない」と規定されています。そして、第143条では、「第109条の規定の適用については、当分の間、同条中『五年間』とあるのは、『三年間』とする」と記されています。これらの条文から、労働基準法が企業に対して厳格な書類保管のルールを設けていて、労働基準法は、労働者の権利保護と企業の責任を明確にしています。
引用:e-Gov法令検索 | 労働基準法第百九条 第百四十三条
不採用者の履歴書
不採用者の履歴書については、特に法律による規定が存在しないものの、含まれる個人情報の性質上、機密文書扱いでの管理が求められます。企業としては、このような履歴書の取り扱い方針を明確に設定し、一貫した管理を行うことで、効率的かつ適切に対応することができるでしょう。
不採用者の履歴書の効率的な管理方法について
不採用者の履歴書については、返却する方法を推奨しています。法律で返却する義務があるわけではないものの、返却することにより応募者に安心感を与えるだけでなく、個人情報の保護に繋がります。また、企業側は不採用通知と同時に履歴書を返却することで、保管の手間がなくなり、手続きを効率化することが可能です。一方で履歴書を返却しない場合は、企業の内部規定に従って定められた保管期間が経過したあと、適切に廃棄するとよいでしょう。このように、不採用者の履歴書の適切な管理方針を定め、それに基づいて行動することが、企業にとっても応募者にとっても最善の対応方法です。
履歴書の廃棄
履歴書や他の個人情報を含む書類の廃棄は、保管期間終了後の重要な手続きです。時間が経つにつれてこれらの書類が蓄積し、適切な管理や処理が行われない場合、重大な情報漏洩のリスクにつながる可能性があります。例えば、退職者の履歴書は労働基準法で定められた5年間の保管義務がありますが、その期間が終了したあとは、個人情報を保護するために慎重に廃棄することが求められます。退職者の連絡先が変更されることが多く、履歴書を返却することが現実的でない場合、適切な廃棄方法の選定が必要です。不採用者の履歴書には特定の保管義務はありませんが、含まれる個人情報の取り扱いには、同様に最大限の注意が必要です。
社内での履歴書の廃棄
社内で履歴書を廃棄する際には、個人情報保護のためにシュレッダーを使って細かく切り裂くのが一般的な方法です。しかし、これだけでは全ての機密情報を完全に消去することはできません。細かく切り裂かれた書類が外部に漏れるリスクもあり、完全な情報消去を保証するものではないため、注意が必要です。さらに、物理的な保管スペースの確保、廃棄作業にかかる時間、コストなど企業にとっては大きな負担になることがあります。これらの問題に対処するためには、より効率的かつ安全な廃棄方法を検討することが求められます。
書類保管サービスを通じた履歴書廃棄
書類保管サービスは、企業が書類の管理と廃棄に関する課題に対処するための効率的で安全な解決策を提供します。書類保管サービスは書類の保管だけでなく、不要になった書類の廃棄プロセスにも対応しています。効率的な書類整理や安全な廃棄を含む多様なオプションが提供され、企業の具体的なニーズに応じてカスタマイズが可能です。オフィススペースの有効活用、業務効率の向上、法律によって定められた機密文書の保管・廃棄期間の遵守など、利用することで多くのメリットが得られるでしょう。
書類保管サービスを選択する際には、提供される廃棄方法、コスト、サポート体制などを細部にわたって検討することが重要です。特に、廃棄プロセスにおけるセキュリティ対策やコストについて詳しく確認し、最適なサービスを選ぶことが推奨されます。履歴書など個人情報を含む書類の保管と廃棄では、多少効率性が悪くても、個人情報保護法への対応のためにセキュリティ面だけはなんとしても最優先すべきです。その次に、コスト面やサポート体制を考慮するとよいでしょう。
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