社員の源泉徴収票には保管期間はない!?【事務コラム】

社員の源泉徴収票には保管義務と保管期間があると思われがちですが、保管義務があるのは源泉徴収「簿」です。源泉徴収票と源泉徴収簿の違いや、保管期間・保管方法について詳しく触れていきます。

源泉徴収票の保管期間と保管義務?

「源泉徴収票の保管期間は7年」と書かれているサイトをよく見かけますが、実際には少し異なります。実は「源泉徴収票」の保管を明確に義務づけている文はありません。

そもそも源泉徴収票とは企業が2つ作成し、1つを税務署に提出し、もう一つを従業員に発行するものです。どちらも「原本」を提出することになっているため、原本は手元に残らないはずです。

企業は、社員から源泉徴収票の再発行などを求められた際に再発行する義務があります。そのたびに毎回ゼロから計算して源泉徴収票を発行していては、手間になってしまいます。そのため、源泉徴収票を作成したときの帳簿である「源泉徴収簿」を保管しておき、すぐに発行できる体制にしているケースが多いようです。

では、源泉徴収簿に保管義務はあるのでしょうか?

源泉徴収簿の保管期間・保管義務

源泉徴収票を作成するために計算した帳簿である「源泉徴収簿」は「帳簿」に相当すると考えられています。帳簿は事業年度の確定申告書の提出期限から原則として7年間の保管が義務づけられています。そのため、源泉徴収簿を作成した場合は必ず7年間保管しておきましょう。

また、源泉徴収簿と賃金台帳とは混同されがちですが、異なる目的をもって作成された書類にあたるため、異なる書類です。しかし、賃金台帳のフォーマットを整え、源泉徴収簿としても活用している企業も多く、また法的にも問題ありません。ただし、賃金台帳の保管期間は5年間なのに対し、源泉徴収簿の保管期間は7年間となるため、もし賃金台帳を源泉徴収簿として代用しているのであれば、賃金台帳を7年間保管しておきましょう。

社員の源泉徴収票の保管義務

なお、社員個人に源泉徴収票の保管義務はありませんが、住宅ローン申し込みの際などに2~3年分の源泉徴収票の提出を求められることがあります。頻繁に発行するとなると手間がかかってしまうため、社員ひとりひとりにしっかりと保管しておく通達をしておきましょう。

源泉徴収簿の保管方法

源泉徴収簿には保管義務がありますが、どのように保管しておくのがよいのでしょうか? 紙の源泉徴収簿とデータの源泉徴収簿に分けて解説します。

紙の源泉徴収簿の保管

紙の源泉徴収簿は、「社員すべての源泉徴収簿をまとめて保管する」か「社員ごとに雇用に関係する書類をまとめて保管する」の2通りがよいでしょう。

よりオススメなのは「社員すべての源泉徴収簿をまとめて保管する」方法です。源泉徴収簿は現在働いている社員のものも退職した社員のものも保管期間は同じです。そのため、社員すべての源泉徴収簿をまとめたあとは、その他の帳簿と年度ごとに保管するとよいでしょう。そうすると、廃棄する際にも年度ごと廃棄すればいいため手間を省くことができます。

紙の源泉徴収簿を保管するときに気をつけなければいけないのは保管環境です。源泉徴収簿は社員の給与がわかる書類のため、誰にでも見られるような場所に保管しておく訳にはいきません。鍵付きの棚などに保管し、決められた社員しか閲覧できないようにしておきましょう。

データの源泉徴収簿の保管

データの源泉徴収簿の場合も紙の源泉徴収簿と同じく、決められた社員以外の社員の目に触れないように、セキュリティを設けて保管しましょう。文書管理システムを利用しているのであれば、セキュリティレベルを設けるとよいでしょう。文書管理システムなどを利用していないのであれば、外部メディアに保管し、保管したメディアを鍵付きの棚などに保管するなどの方法が考えられます。

ただし、企業には社員の請求に応じて源泉徴収票を発行する義務があるため、すぐに紙で源泉徴収票を発行できるような形式で源泉徴収簿を保管しなければなりません。

源泉徴収簿の廃棄方法

源泉徴収簿は7年間保管したあとに廃棄することができます。しかし、前述の通り人の目に触れてはいけない書類のため、廃棄方法にも気をつけなければいけません。紙の源泉徴収簿とデータの源泉徴収簿とに分けて廃棄方法を説明します。

紙の源泉徴収簿の廃棄方法

廃棄する書類が少ない場合には、社内でシュレッダーにかけているケースも多く見られます。しかし、シュレッダーは復元不可能な廃棄方法ではありません。

紙の源泉徴収簿を廃棄する際には、できれば他の機密文書や個人情報書類などと合わせ機密文書廃棄サービスなどの利用を心がけましょう。機密文書廃棄サービスであれば、セキュリティが担保されている上にシュレッダーの手間が省けます。また、シュレッダーを行う社員の人件費よりも、機密文書廃棄サービスの利用料のほうがかかるコストが少ない可能性もあります。機密文書廃棄サービスを利用することでコストダウンや業務効率化に繋がるかもしれません。

機密文書廃棄サービスを利用する際は、シュレッダーの機密文書廃棄サービスではなく、溶解処理の機密文書廃棄サービスを選ぶと良いでしょう。溶解処理であれば、処理した書類は復元不可能なうえに、サービス料金も安価な傾向にあります。

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データで作成された源泉徴収簿の廃棄方法

書類管理システムなどで管理しているなら書類管理システムのマニュアルに則った削除を行いましょう。

書類管理システムなどを利用せず、パソコン上などに保存された源泉徴収簿については、保存したメディアの破砕処理などをオススメします。ただゴミ箱に入れて削除するだけでは復元が可能になります。

源泉徴収簿の保管・廃棄に困っているなら

源泉徴収簿は保管期間が7年と長いうえに、社員からの源泉徴収票の請求があるまでは使用しない書類です。社員が多い会社だと、保管場所に困っていることも多いのではないでしょうか。社員が少ない会社でも、源泉徴収簿の廃棄の際には人の目に触れないよう然るべき処理を行う必要があり、手間がかかってしまいます。

書庫番人の書類保管サービス・機密文書廃棄サービスなら、2つのサービスが連携しているため、一度預けた書類を申請一つで廃棄することができます。保管・廃棄の手間が一気に省けるため、普段の業務効率を上げることができます。また、書類の保管期間が満了するタイミングで通知されるため、余計な保管料もかかりません。もし預けた書類が必要になった際も、スピーディーな配送でお届けします。

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この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。