この記事では「決算書類には何があるの?」「保存期間は?」という疑問に対してわかりやすくお答えします。決算書類の保存に役立てるよう、保存方法についてもご説明します。
そもそも決算書類とは?
決算書類・決算書などと呼ばれるものは、決算の際に作成される書類のことで、正式には「財務諸表」と言います。決算書類(財務諸表)にあたる書類には、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」があります。これらすべてに保存義務があり、法律で定められた保存期間に従って保存しておかなければなりません。
以下に、それぞれの書類の簡単な説明をしていきます。
貸借対照表
貸借対照表とは、一年間の財政状態を記載した書類のことです。年度末の資産、負債、資本(純資産)が記載されます。
損益計算書
損益計算書とは、一年における収益や費用を記載した書類のことです。会社の利益を売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5つに分けて表しています。
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書とは、現金の流れを記載した書類のことです。収益や費用を記載している損益計算書とは異なり、現金の増減を記載しています。
株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書とは、一年間の純資産の変動を明らかにするための書類です。主に資本金、新株予約権、資本剰余金、利益剰余金の4つが記載されます。
個別注記表
個別注記表とは、貸借対照表に関わる注記、損益計算書に関わる注記、重要な会計方針に関わる注記などを記載した表のことです。
決算書類の保存期間
決算書類の保存期間:10年間
決算書類には保存期間が定められており、その保存期間の間は保存しておかなければなりません。決算書類の保存期間は、会社法では10年間、税法では7年間とされています。そのため、期間が長いほうに合わせ10年間保存しておきましょう。(なお、税法では7年間の保存期間が定められていますが、欠損金の繰越控除を受ける事業年度は9年間保存することとされています)
決算書類の保存方法
決算書類の保存方法は、原則紙での保存になります。電子データでの保存をすることも可能ですが、法律で定められたさまざまな要項を満たす必要があります。もし電子データの隠蔽、改ざんが発覚した場合、生じた申告漏れ等の金額に10%の重加算税が付加されます。不備などがないよう、電子データで決算書類を保存する場合には、入念な環境整備をしておきましょう。
紙の決算書類の保存方法
紙の決算書類を保存する際は、他の経理書類などと事業年度ごとにまとめてファイリングして保存しておきましょう。複数の書類を一つのファイルに綴じる際は、保存期間ごとにファイリングしておくと、廃棄の際にもファイルごと廃棄してしまえばよいため、手間を省くことができます。
紙の決算書類をスキャンして保存する方法
紙の決算書類をスキャンして保存する場合は、電子帳簿保存法に従い、決算書類にタイムスタンプなどの処理を行う必要があります。電子帳簿保存法の詳しい条件は国税庁のウェブサイトに詳細に記載されています。しっかりと目を通し、理解できてからスキャン保存するようにしましょう。なお、決算書類をスキャンしたあとも、定期検査まで原本は保存しておかなくてはなりません。
データで作成した決算書類の保存方法
記録段階からコンピュータを使用して作成する決算書類については、サーバ、DVD、CDなどの媒体に記録した電磁的記録(電子データ)のままで保存しなければなりません。なお、令和3年度に電子帳簿保存法が改正されており、令和3年12月31日までに電子データとして作成した決算書類については、紙に印刷しての保存が可能です。令和4年1月1日以降に作成した決算書類は電子データとしての保存が必要ですが、急な電子化に対応できない理由がある場合のみ2年間の猶予が設けられています。現在データで作成した決算書類を紙に印刷して保存している会社も、令和6年1月1日までには電子保存できる設備を整えておきましょう。
書類の保存にお困りなら書庫番人へご相談ください
さまざまな書類の保存は複雑なものです。決算書類に限らず、「書類をどう保存していいのかわからない」「何年保存すればいいんだろう」「電子化ってどうやるの?」とお悩みの方は多いと思います。
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