決算書類のリストを一覧で紹介!一目でわかる完全ガイド

決算の時期になると、多くの企業で必要となるのが決算書類の準備です。しかし、どの書類が必要か迷われる方も多いのではないでしょうか。決算書類は、企業の財務状況を正確に把握するために不可欠なものであり、税務申告や外部報告に重要な役割を果たします。この記事では、決算に必要な書類を一覧でわかりやすく紹介し、それぞれの書類の役割や注意点についても解説します。決算をスムーズに進めるためのポイントを押さえていきましょう。

決算書類とは

企業の財務状況を把握し、税務申告を行う際に必要となる一連の書類を決算書類と呼びます。企業の決算は事業年度ごとに行われます。決算を行う主な目的は1年分の収益や支出を整理・集計して財務状況を明確にすることです。決算は一般的に、会社の年度末に行われます。決算書類は、決算日から2カ月以内に作成しなければなりません。その後、作成された決算書類は、税務署、各都道府県、各市町村などの自治体へ提出する義務があります。

決算に必要な書類一覧

主な決算書類は以下の通りです。

書類名補足
総勘定元帳取り引きを勘定科目ごとにまとめた帳簿
領収書代金の受領を証明する書類でまとめておくとよい
決算書(財務諸表)貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書などの企業の財務状況を示す書類
申告書別表法人税申告書に添付する詳細な書類
勘定科目内訳明細書勘定科目ごとの取り引きの内訳を記載した明細書
法人税事業概況説明書企業の業務内容や経営状況を説明する書類
税務代理権限証書税理士に申告業務を依頼した場合に提出する委任状
法人住民税の法人都道府県民税の申告書都道府県に対して法人住民税を申告する書類
法人住民税の法人市町村民税の申告書(東京都は除く)法人住民税(市町村)を都道府県税事務所などに申告する書類
消費税申告書消費税を申告する書類

各決算書類の詳細

決算を行う際には、複数の決算書類を作成する必要があります。これらの書類は、企業の財務状況を正確に把握するために不可欠で、それぞれ異なる役割を担っています。

総勘定元帳

総勘定元帳は、仕訳帳に記録された日々の取り引きを、勘定科目ごとに分類・整理した帳簿です。仕訳帳が日付順に取り引きを記録しているのに対し、総勘定元帳は勘定科目ごとに取り引きをまとめて管理します。これにより、企業の財務状況を体系的に把握することができ、決算書の作成や経理分析に非常に役立ちます。また、総勘定元帳は、法人税申告書に添付される勘定科目内訳明細書とは異なり、すべての取り引きを網羅し、企業活動全体を反映する基礎データとなります。

領収書

1年間にわたって発生した領収書をまとめたものです。経費や支出の証拠として使用され、税務申告や経理業務において重要な役割を果たします。一般的に紙で受け取った領収書は、ファイルやクリアファイルに整理して保管する場合が多いです。近年では電子レシートの活用が進んでいるため、デジタル形式での保管も可能です。いずれの形式でも、経費精算や税務調査に備えるための必須資料となります。

決算書(財務諸表)

決算書は、財務諸表ともよばれており、会社の利益と損失がわかるようにするための書類です。代表的な財務諸表には、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」などが含まれます。これらの書類を通じて、企業の利益や損失、資産や負債の状況を把握できるため、経営判断や税務申告に広く活用されます。財務諸表について気になる方は、以下のサイトもご確認ください。

財務諸表の保管期間と保管方法:書類保管サービス「書庫番人」

申告書別表

法人税、消費税、法人事業税、法人住民税などの税額計算を行うために必要な書類です。この別表は、決算書を基に作成されます。企業の規模や業種に応じて、必要となる別表の種類が異なっているため注意しましょう。作成した別表は、法人税申告書に添付され、税務署に提出することで、企業の税務処理を確定させる役割を担っています。

勘定科目内訳明細書

決算書を基に日々の取り引きを各勘定科目ごとに分類し、取引相手や取引内容の詳細を明確にする書類です。総勘定元帳とは異なり、取り引きごとの詳細な内訳を示す補足資料として使われます。この書類は、法人税の申告時に必要であり、決算日から2カ月以内に他の申告書類とともに税務署へ提出しなければなりません。

法人税事業概況説明書

法人税申告書に添付して提出する書類で、税務署が法人の事業内容や経営状況を把握するために使用されます。記載内容は、法人名や事業内容、従業員数、支店や海外取引の有無、経理状況などです。作成しなくても罰則はないですが、正確に記載することで税務署が企業の経営状態を適切に理解できるため、補助金申請などで求められる場合があります。

税務代理権限証書

税理士が納税者に代わって税務手続きを行う際に、税務署に提出する書類です。提出することで、税理士が正式に納税者の代理人となり、税務申告や税務署とのやり取りを行う権限を得ます。税務代理は、納税者に代わって官公庁に対する税務手続きを代行するもので、申告や納税に関わる業務が含まれます。ただし、税務書類の作成のみを依頼する場合、この権限証書の提出は不要です。

法人住民税の法人都道府県民税の申告書

法人が都道府県に対して法人住民税を申告するための書類です。地方税である法人事業税などとともに申告され、第六号様式と呼ばれています。各自治体によって申告や納税方法が異なるため、具体的な手続きや様式については、該当する都道府県の税務サイトを参照しましょう。

法人住民税の法人市町村民税の申告書(※東京都は除く)

法人が市町村に対して法人住民税を申告するための書類です。この書類は第二十号様式と呼ばれています。注意点として、東京都の場合は都道府県民税と市町村民税が合算されているため、この書類の提出は不要です。他の地域では、市町村ごとに異なる申告・納税方法があるため、該当する市町村のホームページで確認しましょう。

消費税申告書

企業が消費税を申告するための書類です。企業の取引内容や規模に応じて、申告書の種類は異なります。例えば、消費税率10%(軽減税率8%を含む)のみの取り引きの場合と、旧税率(8%や5%)が含まれる取り引きがある場合で、使用する書類が分かれます。さらに、企業が「一般課税(本則課税)」か「簡易課税」かによっても様式が異なります。自社の課税状況に応じた申告書を作成し、正確な消費税の申告・納税を行いましょう。

決算書類はなぜ必要か

決算書類は、企業の財務状況を明確にするだけでなく、税務申告や外部への報告、法的義務を果たすために使われます。ここでは、決算書類が必要な理由や注意点について解説します。

財務状況の可視化

決算書類を作成することで、企業の現時点での財務状況(資産、負債、純資産など)を明確にできます。中でも、貸借対照表や損益計算書は、企業がどれだけの利益を上げ、どの程度の負債を抱えているかを一目で示してくれるため、正確な財務データに基づいて、事業運営の判断を下せるでしょう。決算書類は、企業の強みや課題を可視化し、今後の経営戦略を検討する際の基本資料として活用しましょう。財務状況の透明性を確保することは、企業の成長において不可欠な要素です。

確定申告に必要

決算書類は、法人税や消費税などの税務申告を行う際に必須の書類です。法人税申告書や消費税申告書を作成する際には、決算でまとめた財務データが基礎となります。そのため、正確な決算書類の作成は、適切な税額を申告し、納税義務を果たすために不可欠です。

法的義務

日本の法人税法では、企業は毎年1回、決算を行い、税務申告をすることが義務付けられています。決算書類を作成せず、不正確な書類を提出した場合、税務調査やペナルティの対象となるかもしれません。特に法人税や消費税の申告に誤りがあると、税務署から指摘を受け、修正申告や過少申告加算税の支払いが必要になる場合があるため注意しましょう。

外部への報告

決算書類は、企業が外部の利害関係者(株主、金融機関、取引先など)に対して、経営状況を報告するために必要です。株主に対しては、企業の健全性や成長性を示し、投資判断に役立ててもらうため、また金融機関に対しては、企業の信用力を評価する基礎資料となり、融資の判断材料として使用されます。正確な決算書類の作成は、企業の信用を保ち、外部からの信頼を得るために欠かせません。

書類の保管期間についての注意点

決算書類は、法律で保管期間が定められており、決算が終わったからといってすぐに廃棄することはできません。例えば、会計帳簿や総勘定元帳は原則として7年間の保管が義務付けられています。また、その他の書類についても、最大で10年間の保管が必要となる場合があります。各書類の保管期間が気になる方は以下のページもご確認ください

決算に必要な書類は、決算が終わったあとに使用することはあまりないでしょう。しかし、保管義務があるため、書類が増え続けて保管スペースが圧迫されてしまうかもしれません。書類が増えてしまい保管スペースに困る場合は、書類保管サービスの利用は1つの有効な選択肢です。保管スペースの確保ができるだけでなく、必要なときに迅速に書類を取り寄せられます。

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この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。