文書管理マニュアルがあるとないのとでは、社内での文書管理の効率が大きく異なります。そこで、文書管理マニュアルの作成方法をご紹介します。
文書管理マニュアルとは
文書管理マニュアルは、文書管理規程をもとにして、具体的なファイリング方法や取り扱い方法を明記し、誰でも適切に文書を管理できるようにするための指針です。これを作成することで、社員全員が統一された基準で文書を扱うことができ、業務効率が向上します。また、担当者の引き継ぎにも役立ちます。
文書管理マニュアルの必要性
文書管理マニュアルがないと、文書の所在が分からずに探す時間がかかることがあります。それだけでなく、法律で定められた保存義務がある文書を誤って破棄してしまうリスクも増加します。また、統一された保存方法がない場合、セキュリティの観点からも脆弱性が生じます。情報漏洩防止や経理文書の適切な保存による資金管理の明確化は、企業の義務です。したがって、文書管理マニュアルの作成は必須と言えます。
文書管理マニュアルの作成方法
社内に文書管理マニュアルがない場合、まずは文書管理規程を確認し、それを基に文書管理マニュアルを作成しましょう。既存の文書管理マニュアルがすでにある場合も、法改正などに対応するため、定期的に見直すことが重要です。
文書管理規程:文書管理に関する基本的なルールを定めたもの
文書管理マニュアル:具体的な日常の管理方法を記載して運用の基準にするもの
もし、社内に文書管理規程がない場合は、まずそれを整備することが必要です。
▼文書管理規定の作り方については、こちらの記事をご覧ください。
文書管理マニュアルの作り方ガイド
文書管理マニュアルを作成する際に、なにを記載すべきかをお悩みの方へ。本記事では、文書管理マニュアルに盛り込むべき項目や作成のポイントを解説します。
文書管理マニュアル作成の前準備
文書管理マニュアルを作成する前に、現在社内で保存している文書の量を把握することが重要です。これにより、適切な保存場所を確保でき、「必要な文書が入らない」といったトラブルを避けられます。
文書管理マニュアルに必要な項目
文書管理マニュアルには、以下の項目を明確に記載すると実用的なものになります。
- 文書の分類
文書の機密性(例:社外秘、社内秘など)に応じた分類を行います。 - 文書の管理者
文書管理規定よりも細かく各文書の責任者を明示し、誰が管理するかを明確にします。 - 文書の保存場所
各文書の保存場所を具体的に記載します。 - 文書の保存期間
法律で定められた保存期間に基づいて、文書の保存期間を設定します。 - 文書の保存方法
ファイリング方法や電子化の手順など、具体的な保存方法を記載します。 - 文書の廃棄方法
文書の適切な廃棄フローを記載し、情報漏洩を防止します。 - 文書管理マニュアルの更新方法・更新頻度
法改正や業務内容の変化に対応するため、更新方法と頻度を設定します。
文書ごとの管理者の設定と保存場所
文書管理マニュアルには、文書の分類と管理者の明確化が不可欠です。文書の分類は、機密度に応じて「社外秘」「社内秘」などに設定し、それに応じた取り扱い権限を定めます。たとえば、社外秘の文書については、短期のアルバイトや試用期間中の新入社員がアクセスできないようにし、重要情報の漏洩を防ぐことが重要です。顧客の個人情報が含まれる文書については、特に厳重な管理が求められます。必要に応じて、書類棚に鍵をかけるなどの物理的なセキュリティ対策も講じましょう。
文書の保存期間の設定
文書の保存期間は、法律で定められた期間に従うことが基本です。しかし、業務上の必要性から法律で定められた期間を越えて保存する場合は、別途保存期間を設けます。また、保存期間の起算日についても正確に記載し、誤って法定期間内に文書を廃棄しないようにしましょう。
また、よく使用する文書を手の届きやすい場所に保管し、使用頻度が下がったら書類棚などに移動するというケースも多いでしょう。そういった場合は、文書の使用頻度や重要度に応じて、一定の期間を定め、その期間が過ぎたら書類棚やアーカイブスペースに移動するように記載できると、より使いやすい文書管理マニュアルになります。
▼書類の法的な保管期間についてはこちらのページにもまとめてありますので、ご活用ください。
文書管理マニュアルの更新方法・更新頻度
文書管理マニュアルの更新方法は、誰が、いつ、どのように更新したかを記録に残すことが重要です。この履歴を残すことで、責任の所在を明確にし、誤った運用を防止できます。また、文書管理マニュアルは、年に一度など定期的に見直しを行い、法改正や業務環境の変化に対応できるようにしましょう。特に、法律で定められた保存期間が変更された場合は、速やかにマニュアルを更新することが求められます。
電子化した文書の取り扱い
電子化された文書に関しても、適切な管理が必要です。まず、どの文書を電子化するのかを定義し、電子化した文書の保存方法を明記します。具体的には、「ファイル名の付け方」「フォルダ分けのルール」「使用するソフトウェアや文書管理システム」「記録メディアへの秘密区分の表示方法」「保存形式」などを設定します。これにより、電子文書の一貫した管理と、必要な情報の迅速な検索が可能になります。
なお、企業によっては、文書管理マニュアルを「紙の文書」と「電子化した文書」とに分けて2つ作成したほうが使いやすい場合もあります。
文書管理マニュアルの周知
文書管理マニュアルを作成した後は、必ず全社員に周知しましょう。マニュアルが存在するだけでは意味がなく、実際に活用されることが重要です。社員全員がマニュアルの内容を理解し、適切に運用することで、社内の文書管理方法が統一され、業務の効率化が図れます。定期的な研修やトレーニングを通じて、文書管理マニュアルの遵守を徹底しましょう。
文書管理が大変なら:文書保管サービスの活用
「文書管理マニュアルの作成が難しそう」「社内だけで管理をするのは難しい」「保存スペースが不足している」と感じている方にオススメなのが、文書保管サービスです。
文書保管サービスとは
文書保管サービスは、セキュリティ対策が施された倉庫に文書を預けることで、安全に管理できるサービスです。文書を保存期間ごとに分類して預けるだけで、Web管理システムを通じて保存期間や文書の所在を把握することが可能です。さらに、廃棄サービスも提供している場合、預けた文書の廃棄処理も簡単に依頼できます。これにより、文書管理の手間を大幅に軽減することができます。
書庫番人の文書保管サービスの特徴
書庫番人では、文書の分類・保管・廃棄のフローを一貫してサポートする文書保管サービスを提供しています。どの文書を預けるべきか分からない場合でも、専門のスタッフが適切なプランをご提案します。文書の安全な管理とスペースの有効活用を実現するために、まずはお気軽にご相談ください。