健康診断個人票に作成義務はある?作成義務と保存期間

会社で健康診断を行った際に作成する「健康診断個人票」の法的な作成義務や、保存期間についてわかりやすく解説していきます。

健康診断個人票とは?

健康診断個人票とは、会社が従業員に健康診断を受けさせたときに作成しなければいけない書類です。健康診断の結果から、必要な項目をすべて記載した上で保管しておく必要があります。

厚生労働省のサイトからテンプレートをダウンロードできますので、それを利用するとよいでしょう。(様式第5号の項目がすべて網羅されていれば別書式でも構いません)

▼厚生労働省のテンプレートはこちら

健康診断個人票の作成義務は?

健康診断個人票の作成義務については、労働安全衛生規則第51条に記載されており、法的に定められています。

健康診断個人票の作成義務:あり

健康診断個人票の保存期間:5年間(作成日より)

事業者は、第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条から第四十八条までの健康診断若しくは法第六十六条第四項の規定による指示を受けて行つた健康診断(同条第五項ただし書の場合において当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「第四十三条等の健康診断」という。)又は法第六十六条の二の自ら受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、これを五年間保存しなければならない。

(健康診断結果の記録の作成)第五十一条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032_20221001_504M60000100112

健康診断個人票には、法的に作成義務と保存期間が定められているため、健康診断を行った際には必ず作成し、5年間保存しましょう。

※一般健康診断以外の健康診断の健康診断個人票については、5年以上の保存が必要な場合があります(後述)

健康診断個人票と健康診断の種類

企業には従業員に健康診断を受けさせる義務があり、従業員は健康診断を受ける義務があります。企業は健康診断の結果によって医師の意見を聞いたり、従業員に医師による指導を受けさせたりしなければなりません。もし、健康診断を受けさせていない場合には罰金などの罰則があります。

アルバイトなども勤務形態によっては健康診断を受けさせる義務が生じます。1年以上の長期雇用を行っており、労働時間が正社員の労働時間の4分の3以上である場合には、健康診断を必ず実施しましょう。

健康診断には雇用時に行うものや、特定の業務に従事させた際に行うものなど、いくつかの種類があります。一般健康診断とは異なる健康診断個人票を作成することになりますので、まずは健康診断の種類について説明していきます。

健康診断の種類該当する従業員健康診断を行うタイミング
一般健康診断常時使用する従業員(特定業務従事者を除く)1年以内に1回
一般健康診断(雇い入れ時)常時使用する従業員雇い入れ時
特殊健康診断法令で定められた業務または特定の物質を取り扱う労働者(労働安全衛生法第66条第2、第3項・じん肺法第3条参照)雇い入れ時もしくは特定業務に従事する際+6ヶ月以内に1回
海外派遣労働者の健康診断海外に6ヶ月以上派遣する従業員海外に6ヶ月以上派遣する際+帰国後に国内業務に従事する際

特殊健康診断についてはそれぞれ異なる健康診断個人票を作成する必要があるため、注意しましょう。

▼一般健康診断以外の健康診断個人票のテンプレートも厚生労働省のサイトからダウンロードできます。

定期診断・特定業務従事者の健康診断では、常時50人以上の労働者を使用する事業者は「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監査署長に報告する義務があります。
▼テンプレートはこちら
労働安全衛生規則関係様式|厚生労働省

健康診断個人票の保存期間一覧

一般的な健康診断個人票の保存期間は5年間ですが、特殊健康診断における個人票は保存期間が長いものも存在します。そこで、一般健康診断の個人票や、特殊健康診断の個人票の保存期間を一覧にして並べました。すべての健康診断個人票を5年間で廃棄してしまわないよう、管理には注意が必要です。

書類名保存期間起算日(数えはじめの日)
一般健康診断個人票5年間作成日
一般健康診断個人票(雇い入れ時)5年間作成日
有機溶剤等健康診断個人票5年間作成日
鉛健康診断個人票5年間作成日
四アルキル鉛健康診断個人票5年間作成日
特定化学物質健康診断個人票5年間作成日
高気圧業務健康診断個人票5年間作成日
じん肺健康診断記録
じん肺健康診断に係るエックス線写真
7年間作成日
電離放射線健康診断個人票30年間 ※作成日
特別管理物質を取り扱う業務に携わる労働者の特定化学物質健康診断個人票30年間作成日
※当該記録を5年保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときはこの限りでない

健康診断個人票の保存方法

健康診断個人票は、個人情報の中でも特に配慮が必要な「要配慮個人情報」にあたる情報です。誰にでも閲覧できるような保存方法は避けましょう。保存の際だけではなく、廃棄の際にも情報が漏れないように廃棄する必要があります。

ただし、事業者は従業員の健康診断の結果を把握し、医師の意見を聞いたり、従業員に医師による指導を受けさせたりする義務があります。健康診断の実施担当など、決められた担当者だけが閲覧できる状態にしておくとよいでしょう。

なお、一定の規定をクリアすることで、電子化したデータのみでの保存も可能です。法改正により、健康診断個人票への医師の押印や電子署名が不要になったため、電子データでの保存がしやすくなりました。健康診断個人票の保存スペースに困っていたり、電子化を推し進めていたりするのであれば、電子での保存に取り組むのもよいでしょう。

健康診断個人票などの保存に困っているのなら

健康診断個人票は使用しないわりに保存期間が長く、保存スペースに困る書類です。健康診断個人票など普段使うことのない書類の保存スペースに困っているのであれば、書類保管サービスなどの利用をオススメします。

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相談は無料ですので、健康診断個人票をはじめとする書類の保存について困っていることがあればお気軽に問い合わせください

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この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。