機密文書の廃棄、シュレッダーで万全?選び方と注意点を解説

書類保管サービス「書庫番人」でコスト削減

書庫番人ではコンシェルジュがお客さまそれぞれの保管状況に合わせて適切な書類の管理方法をご提案できるため、保管から廃棄までのトータルコストを最小限にすることができます。

企業の機密文書、シュレッダーで処理しているからと安心していませんか。実は選び方や使い方を間違えると情報漏洩のリスクも考えられます。本記事ではシュレッダーの正しい選び方から、メリット・デメリット、さらに安全な機密文書廃棄サービスまで、専門家の視点で詳しく解説します。

そもそも機密文書とは?

機密文書とは、その内容が外部に漏洩した場合に、企業や組織、関係者へ不利益をもたらす可能性のある重要な情報を含む文書の総称です。法的な定義は必ずしも明確ではありませんが、一般的にはその重要度に応じて「極秘」「秘」「社外秘」などに分類されます。

こんな書類も対象!機密文書に該当する具体例

日々の業務で扱う書類の中には、意識していなくても機密情報に該当するものが数多く存在します。

経営・財務関連

未公開の財務諸表、事業計画書、役員会の議事録、M&A関連資料など、企業の経営戦略に関わる情報は、漏洩した場合の損害が大きくなります。

人事・労務関連

社員名簿、履歴書、人事考課シート、給与情報など、個人のプライバシーに深く関わる書類は、特に厳重な管理が求められます。

顧客・取引先情報

顧客リスト、取引先との契約書、見積書、クレーム対応の記録などは、企業の信用問題に直結します。

技術・開発情報

研究開発データ、設計図、製品の仕様書、特許関連情報など、企業の競争力の源泉となる知的財産も機密文書に該当します。

法律で定められた文書の保存期間と廃棄義務

企業が作成したり受け取ったりする文書の中には、法律によって一定期間の保存が義務付けられているものがあります。これらは「法定保存文書」と呼ばれ、定められた期間が経過するまでは、たとえ不要になっても安易に廃棄することはできません。文書の保存期間は、法律の種類や文書の内容によって異なり、さまざまな法律によって細かく定められています。以下に、その一例として、会社法と法人税法の保存義務を紹介します。

会社法

株主総会議事録、取締役会議事録、計算書類および附属明細書、会計帳簿および事業に関する重要書類などは10年間の保存が必要です。これらは会社の意思決定や財産状況を証明する根幹的な書類であり、帳簿の閉鎖や書類の作成日から保存期間が計算されます。

法人税法

帳簿(総勘定元帳、仕訳帳など)や、取り引きに関して作成・受領した書類(契約書、領収書、請求書など)は、原則として7年間の保存が義務付けられています。ただし、欠損金の繰越控除を受ける事業年度は、その保存期間が10年に延長されます。

参照:e-Gov 法令検索|会社法
参照:e-Gov 法令検索|法人税法

オフィス用シュレッダーの賢い選び方3つのポイント

セキュリティレベルが変わる!裁断方式の種類と特徴

シュレッダーの最も重要な性能は、裁断後の紙片の細かさ、つまりセキュリティレベルです。これは裁断方式によって大きく異なります。

ストレートカット

縦方向にのみ細長く裁断する、最もシンプルな方式です。処理速度は速いですが、裁断くずが大きく復元が比較的容易なため、機密性の高い文書の処理には不向きです。

クロスカット

縦と横の二方向に裁断し、紙をチップ状にする方式です。現在主流であり、ストレートカットよりもセキュリティレベルが高く、一般的なオフィス文書の処理に適しています。

マイクロカット(マイクロクロスカット)

クロスカットよりさらに細かく裁断する方式です。復元が極めて困難なため、個人情報や財務情報など、特に高度な機密性が求められる文書の処理に最適です。

業務効率を左右する「処理能力」と「連続使用時間」

シュレッダーの使い勝手、ひいては業務効率に直結するのが「処理能力」と「連続使用時間」です。

最大細断枚数

一度に投入できる紙の枚数を指します。この枚数が多いほど、大量の書類を効率的に処理できます。業務用の場合は、一度に10枚以上処理できるモデルが目安となるでしょう。

連続使用時間(定格時間)

モーターを休ませることなく、連続して使用できる時間のことです。この時間を超えて使用すると、モーターの過熱を防ぐために自動で停止する機能が働くのが一般的です。廃棄する書類の量が多い部署では、連続使用時間が長いモデルを選ぶことで、作業の中断によるストレスを軽減できます。

安全機能と静音性もチェック

オフィスで複数人が使用することを考えると、安全性や快適性への配慮も欠かせません。

安全機能

ダストボックスが正しくセットされていないと作動しない「インターロックスイッチ」は、ゴミ捨て時の事故を防ぎます。また、規定枚数以上の紙が投入された際に自動で逆回転して紙詰まりを防ぐ「オートリバース機能」や、メーカーによっては、投入口周辺に手が触れると自動で停止する「セーフセンス」など、独自の安全機能を搭載したモデルもあります。

静音性

シュレッダーの作動音は、意外とオフィス内で気になる存在です。特に、電話応対や集中を要する業務が多い環境では、静音設計のモデルが望ましいです。一般的に、静かな事務所の騒音レベルに相当する50dB(デシベル)程度が静音性の目安とされています。

知っておくべき社内シュレッダーのメリットとデメリット

メリット

即時性と手軽さ

最大のメリットは、廃棄したい書類が発生したその場で、すぐに処理できる点にあります。誰でも簡単に操作できるため、機密文書の廃棄を習慣化しやすいでしょう。

社内完結によるセキュリティ

書類を外部に持ち出す必要がないため、運搬中の紛失や盗難などのリスクを排除できます。自社の管理下で廃棄プロセスが完結する安心感は大きいでしょう。

デメリット

手間と時間的コスト

大量の文書を処理する場合、シュレッダーの前に立ち続け、数枚ずつ投入する作業には相当な時間と手間を要します。特に年度末などの繁忙期には、本来の業務を圧迫する要因となる可能性があります。

付随業務の発生

裁断くずのゴミ袋交換や、散らばった紙片の清掃、定期的なメンテナンスなど、裁断作業以外にも多くの付随業務が発生します。

処理能力の限界と情報漏洩リスク

オフィス用シュレッダーは一度に処理できる枚数に限りがあります。また、裁断方式によっては、時間と労力をかければ復元される可能性がゼロではありません。

リサイクルの阻害

細かく裁断された紙片は、リサイクルのルートにのりにくいという側面もあります。結果として焼却処分されるケースも多く、環境負荷の観点からは必ずしも最適とは言えません。

手間とリスクを解消!機密文書廃棄サービスの活用

社内シュレッダーが抱える手間、コスト、そして潜在的なセキュリティリスクがあります。これらの課題を根本から解決する選択肢として、専門事業者による「機密文書廃棄サービス」があります。

大量・定期的なら外部委託がコストパフォーマンスに優れる理由

一見、外部への委託は追加費用がかかるように思えるかもしれません。しかし、総合的なコストパフォーマンスを比較すると、社内処理よりも優れているケースが少なくありません。その最大の理由は、従業員の人件費と機会損失の削減にあります。シュレッダー作業に費やされる時間は、従業員が本来行うべきコア業務から離れることを意味します。文書の仕分け、クリップの取り外し、シュレッダーへの投入、ゴミ袋の交換と処分などの一連の作業にかかる時間を時給換算すれば、そのコストは決して無視できません。専門事業者に委託することで、これらの作業から従業員を解放し、生産性の向上に繋げることができます。

さらに、シュレッダー本体の購入費用、メンテナンス費用、電気代などの直接的なコストも不要となります。廃棄量が多い場合、事業者によっては社内で処理するよりもトータルコストを抑えられる可能性があります。手間とリスクの解消という付加価値を考慮すれば、外部委託は極めて合理的な経営判断です。

溶解処理サービス:セキュリティと環境配慮を両立

機密文書廃棄サービスの中でも、特に高い評価を得ているのが「溶解処理」です。これは、機密文書を水と混ぜて繊維レベルまで分解し、再生紙の原料としてリサイクルする廃棄方法です。

圧倒的なセキュリティ

溶解処理の最大の特長は、その極めて高いセキュリティレベルにあります。書類は段ボール箱ごと未開封のまま溶解炉(パルパー)に投入されるため、作業員の目に一切触れることがありません。文字情報は完全に消滅し、繊維レベルにまで分解されるため、物理的な復元は不可能です。これにより、シュレッダー処理で懸念された裁断片の復元リスクや、ゴミ袋からの情報漏洩リスクを根絶できます。

手間の大幅な削減

社内シュレッダーで必須だったホチキスの針やクリップ、綴じ紐、ファイルの取り外し作業が一切不要になります。書類を段ボールに詰めるだけで、あとは事業者が回収から処理までを一貫して行ってくれるため、従業員の負担を劇的に軽減します。

環境への貢献(CSR活動)

廃棄された書類は、トイレットペーパーや段ボールなどの再生紙製品として生まれ変わります。焼却処理と異なり二酸化炭素を排出せず、資源を有効活用できるため、企業の環境保全活動(CSR)の一環としてアピールできます。

信頼の証明

多くの専門事業者では、処理完了後に「溶解証明書」を発行してくれます。これにより、いつ、どの文書を、確実に処理したかを客観的に証明することが可能となり、企業のコンプライアンス体制と説明責任能力を強化します。

機密文書廃棄なら「書庫番人」の溶解処理サービスにおまかせください

「書庫番人」のサービスは、お客様の重要な文書を段ボールに詰めてお送りいただくだけで、未開封のまま溶解処理を行う、セキュリティと手軽さを両立した企業向けサービスです。クリップやホチキスの芯を除去する手間も一切不要で、従業員の方の負担を大幅に削減し、本来の業務に集中できる環境づくりをお手伝いします。処理完了後には「溶解証明書」を発行し、いつ、どの文書を、確実に廃棄したかを証明でき、企業のコンプライアンス強化にも繋がります。1箱からでもご利用いただけるため、オフィスの規模を問わず、必要なときに必要な分だけご依頼いただくことが可能です。

また、「書庫番人」では廃棄だけでなく、書類の保管や電子化(スキャニング)サービスもワンストップで提供しています。専属のコンシェルジュがお客様の状況を丁寧にヒアリングし、文書管理全体の最適なプランを提案します。機密文書の取り扱いに関するお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

書庫番人コラム編集犬

書庫番人コラム編集犬

書類管理・機密文書廃棄などのオススメ方法を中心に皆様のお役立ちコラムを執筆している犬です。コラムを読んでも分からなかったことはお気軽に書庫番人のお問い合わせフォームからお問い合わせください。