
書類保管サービス「書庫番人」でコスト削減
企業の機密情報が詰まった書類の処分方法を間違えば、重大な情報漏洩リスクを招きます。法定保存文書の管理から安全な処分方法、信頼できるサービス選びまで、企業担当者が知っておくべき知識を解説します。
書類処分の重要性について
情報漏洩のリスクと企業の法的責任
書類には、顧客情報、取引先情報、技術情報、財務情報など、企業の根幹をなす機密情報が凝縮されています。これらの情報が記された書類を不適切に処分することは、重大な情報漏洩事故の引き金となり得ます。一度情報が外部に流出すれば、その影響は計り知れません。直接的な被害として、顧客や取引先からの損害賠償請求が発生する可能性があります。さらに深刻なのは、企業の社会的信用の失墜です。ブランドイメージは大きく傷つき、顧客離れ、取引停止、株価の下落などの事態を招きかねません。
また、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者に対して安全管理措置を講じる義務を課しています。これに違反し、重大な個人情報漏洩が発生した場合には、高額な課徴金が科される可能性もあります。書類の安易な処分が、企業の経営基盤を揺るがす法的責任問題に発展するリスクを、全ての企業は認識することが必要です。
対応必須!法律で定められた「法定保存文書」とは
企業が作成・受領する全ての書類を、無期限に保管する必要はありません。しかし、中には法律によって一定期間の保存が義務付けられている「法定保存文書」が存在します。これを知らずに廃棄してしまえば、法律違反となるだけでなく、税務調査や訴訟の際に自社に不利な状況を招く恐れがあります。
主要な法定保存文書とその根拠法、保存期間は以下の通りです。
・10年保存
計算書類(貸借対照表、損益計算書など)及びその附属明細書(会社法 第四百三十二条)
事業に関する重要書類(株主総会議事録、取締役会議事録など)(会社法 第三百七十一条、第三百九十四条など)
仕訳帳、総勘定元帳、その他会計帳簿及び取引に関する書類(法人税法施行規則 第五十九条)
・7年保存
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、源泉徴収簿など(国税通則法 第七十条)
・5年保存
従業員の身元保証書、健康診断個人票など(労働基準法 第百九条)
・3年保存
労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・退職に関する書類(労働基準法 第百九条)
参照:会社法|e-Gov法令検索
参照:法人税法施行規則|e-Gov法令検索
参照:国税通則法|e-Gov法令検索
参照:労働基準法|e-Gov法令検索
テレワークで増大する書類管理・処分の課題
働き方の多様化、特にテレワークの普及は、書類管理に新たな課題を突きつけています。オフィス内であれば一元管理できた書類も、従業員の自宅など複数の場所に分散することになります。これにより、書類の持ち出しや返却に関するルールが曖昧になったり、自宅での印刷物やメモ書きの管理が不十分になったりするケースが増加しています。家庭用のシュレッダーは裁断サイズが大きく、セキュリティレベルが低い場合も多いです。また、機密情報が記された書類が、他の家庭ごみと一緒に廃棄されるなどのリスクも無視できません。オフィスと同等のセキュリティレベルを、オフィス外でいかに担保するか。これは、テレワークを導入する全ての企業が直面する喫緊の課題です。
自社処理か外部委託か?徹底比較
【自社処理】シュレッダーで処分する場合
多くのオフィスに設置されているシュレッダーを用いて、自社内で書類を処分する方法です。最大のメリットは、処分したいときにすぐに対応できる手軽さと、外部に情報を持ち出さないため、目の前で裁断されることによる安心感があります。コスト面でも、初期のシュレッダー購入費と電気代、ゴミ袋代程度で済むため、低コストに映るかもしれません。
しかし、デメリットも多くあります。まず、膨大な量の書類を社員が手作業で処理するには、多大な時間と労力が必要です。これは、本来の業務に充てるべき人的リソースを割くことを意味し、目に見えない人件費というコストが発生しています。また、業務用シュレッダーであっても、一度に処理できる枚数には限界があり、ホチキスの針やクリップを外す作業も必要となります。さらに、裁断された紙片からの情報復元リスクはゼロではありません。特に安価なシュレッダーの場合、復元が比較的容易なものもあるため、機密性の高い書類の処分には向きません。
【外部委託】専門事業者に依頼する場合
機密文書処理を専門とする事業者に、書類の回収から処分までを委託する方法です。最大のメリットは、その高いセキュリティレベルと効率性にあります。専門事業者は、情報漏洩対策が施された専用車両で書類を回収し、厳重な管理体制下の施設で処理を行います。後述する「溶解処理」のような、物理的に復元不可能な方法を選択することも可能です。また、書類を箱詰めして事業者に引き渡すだけで済むため、社員の手間を大幅に削減し、コア業務に集中できる環境を整えられます。処理された紙はリサイクルされることが多く、企業の環境貢献(CSR活動)にもつながります。
一方のデメリットは、当然ながら外部委託費用が発生することです。また、数ある事業者の中から、信頼できる一社を選定する手間もかかります。しかし、情報漏洩が発生した際の損害額や、自社処理にかかる人件費を考慮すれば、外部委託は単なるコストではなく、リスク管理のための重要な「投資」と捉えるべきです。
外部の専門業者の「シュレッダー処理」と「溶解処理」の違い
事業者によるシュレッダー処理の特徴
専門事業者が行うシュレッダー処理は、一般的なオフィスシュレッダーとは一線を画します。大型の高性能シュレッダーを使用するため、一度に大量の書類を、より細かく裁断することが可能です。トラックに大型シュレッダーを搭載し、依頼元の駐車場などで目の前で裁断を行う「出張シュレッダーサービス」を提供する事業者もあります。これは、書類を外部に持ち出すことに不安を感じる企業にとって、安心感の高い選択肢となります。しかし、物理的に「切断」する処理である以上、原理的には復元の可能性が完全には排除できない点は、溶解処理との大きな違いです。
事業者による溶解処理の特徴
溶解処理とは、書類を段ボール箱ごと巨大なミキサーのような機械(パルパー)に投入し、水と混ぜ合わせて繊維レベルまで完全に分解・溶解させる方法です。このプロセスを経ることで、インクは剥離され、紙の繊維は完全にバラバラになります。書類はパルプ原料として再生され、トイレットペーパーなどにリサイクルされます。溶解処理の最大のメリットは、物理的に復元が不可能であるという、その極めて高いセキュリティレベルです。ホチキスやクリップを外す必要もなく、箱を開封することなく処理されるため、作業過程で人の目に触れるリスクも最小限に抑えられます。機密保持契約書、顧客の個人情報、研究開発データなど、企業の最重要情報を含む書類の処分に最も適した方法です。
シュレッダー、溶解処理どちらがいい?
一般的に、コスト面では溶解処理のほうが安価な傾向です。さらに、セキュリティレベルでは溶解処理が圧倒的に高くなります。どちらを選択すべきかは、処分する書類の機密性と、企業が許容できるリスクレベルによって決まります。日常的に発生する、さほど機密性の高くない書類であればシュレッダー処理でも十分かもしれません。しかし、万が一の漏洩が経営に深刻な打撃を与えるような重要書類に関しては、溶解処理を選択することが、賢明なリスク管理判断です。総合的に考えて溶解処理がオススメです。
失敗しない!信頼できる機密文書処理事業者の選定ポイント3選
ポイント1:セキュリティ認証と証明書の発行は必須
信頼性の客観的な指標として、第三者機関によるセキュリティ認証の有無は必ず確認したいポイントです。代表的なものに、個人情報の適切な取り扱いを認定する「プライバシーマーク(Pマーク)」や、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISMS(ISO/IEC 27001)」があります。これらの認証を取得している事業者は、情報セキュリティに対する高い意識と管理体制が整っている証左となります。
加えて、「廃棄証明書」もしくは「溶解証明書」を発行してくれるかどうかも重要なポイントです。これらの証明書は、いつ、誰が、どのような方法で、どれだけの量の書類を確実に処理したかを証明する公式な書類です。内部統制の記録として、また、万が一の際の監査や対外的な説明責任を果たすための重要なエビデンス(証拠)となります。
ポイント2:自社に適した料金体系とサービス内容か
料金体系は事業者によってさまざまです。段ボール一箱あたりの単価で決まる場合もあれば、重量(キログラム)単位で決まる場合もあります。自社が排出する書類の量やサイズを考慮し、どちらの体系がよりコストメリットがあるかを比較検討する必要があります。また、基本料金に含まれるサービス範囲と、オプション料金となるサービス(例:出張裁断、時間指定)を明確に確認し、隠れたコストがないかを見極めることが肝要です。サービス内容も、自社のニーズに合致しているかを確認しましょう。定期的に書類が溜まるのであれば「定期回収サービス」、不定期に大量の書類が出るのであれば「スポット回収サービス」などのように、排出サイクルに合ったプランを選択すべきです。
ポイント3:追跡システムなど、セキュリティ対策の具体性を確認
書類の持ち出しから処理完了までの一連のプロセスでセキュリティ対策も具体的に確認すべき項目です。
- 回収車両へのGPS追跡システム搭載
- 回収・処理施設の監視カメラ設置と入退室管理
- 作業員への定期的な情報セキュリティ教育
- 書類運搬用の施錠可能な専用ボックス使用
これらの対策はウェブサイトやパンフレットで明記しているまたは問い合わせに明確に回答できるかが、事業者のセキュリティ意識の高さを測るバロメーターとなります。
書類処分なら「書庫番人」の機密文書廃棄・溶解処理におまかせ
「書庫番人」の機密文書廃棄・溶解処理サービスは、書類保管のプロが提供する企業向け機密文書廃棄サービスです。法定保存文書の保存期間が過ぎた書類は廃棄することで、大幅なコスト削減につながります。お預かりした書類はダンボールごと溶解処理されるため、溶解処理の作業員の目に入ることもありません。クリップやホチキスの芯の除去も不要で、廃棄のみの利用も可能です。ぜひご相談ください。
